MONSTAR

おとぎ話を捨てて ぜんぶ 今ここで つくってしまおう

君の名は希望

 

「ファンのみなさんにはぜひ、有言実行する藤原丈一郎を見届けていただきたいですね!」
5月の個人インタビューをそう締めくくっていた丈くんは、22歳の1年間でたくさんの「有言実行」を見せてくれた。この1年で丈くんが掴んできたものは挙げればキリがない。主演舞台でお祝いしてもらった誕生日に始まり、夢だった野球のお仕事、滝沢歌舞伎へ出演、ラジオのレギュラー番組、その年2つ目の外部舞台、「なにわ男子」結成、オリジナル曲にオリジナル衣装、公演最後の挨拶、雑誌の表紙、主演舞台の再演決定、東京ドームでのカウントダウンコンサート、地上波ゴールデン番組への出演、2度目の雑誌の表紙。少し早いけれど、今年の誕生日はレギュラー番組でお祝いしてもらった。22歳最後の日には再び掴んだ野球の仕事で宮崎にいた。1週間もすれば音楽番組にだって出演する。
2018年の2月、去年の誕生日のころのことを「2018年のピークだと思った」と話していた。舞台でお祝いしてもらって泣いてしまって、だけどしっかりと「まだまだ若くてぺーぺーですけど、頑張りますので応援よろしくお願いします」と力強く言ってくれた1年前。そしてその「ピーク」はずっと続きつづけて、2019年の2月を迎えたように思う。2018年を振り返る話のたびに挙がった「リューン」はもちろん、そしてその先に待っていたユニットの結成は大きな大きな変化だったと思う。


「自称 芸人兼ジャニーズ」
これまでお決まりだった丈くんの自己紹介は変わっていくことになる。まずは肩書きが「関西ジャニーズJr.」だけではなくなった。ユニットが結成されて最初に丈くんが自己紹介をしたのは、出演舞台「タイヨウのうた」のアフタートーク。9月の東京公演のときは「"関西ジャニーズJr."の藤原丈一郎です」と名乗っていたけれど、10月の大阪公演では「関西ジャニーズJr.の"なにわ男子"というグループの、藤原丈一郎です」と名乗った。あの場で「なにわ男子」と言えたこと、そのときの丈くんがすごく嬉しそうな顔をしていたこと、「覚えやすいでしょ?覚えて帰ってください」と笑っていたこと、全部嬉しかった。そしてその次の日、丈くんの日誌が更新されて、「まじ!?やったーーーー」と、とにかく嬉しそうなことが嬉しかった。


「笑いかなぁ?やっぱ…」
とユニットができてからも、丈くんは「笑い」という要素に重きを置いていたように思う。なにわ男子の中での役割分担の話をするとき、「ビジュアル担当」とか「(JUMPの)山田くんみたいになりたい」と話しつつも、最終的にはいつも、お笑いやバラエティー担当に落ち着いていて。いやいや丈くんもビジュアル担当やで最高にかっこいいよという持論は曲げられないけど、それとは別次元の話として、「好き」だけではなくて「武器」として丈くんが推したいものが「笑い」なのかなと思っていた。だからきっと自己紹介は「自称」があったりなかったりしながらも「芸人兼ジャニーズ」だったんだと思う。
だけど、最近はそれだけでもなくなった。先日テレビに出演したときは、そのあとにネタまで披露してお笑いを全面に出していたのに、「"なにわ男子最年長の"藤原丈一郎です」と名乗った。「最年長」なんだなあ。誰かと一緒じゃないと使えないフレーズ。日刊でもときどき使われるようになった。丈くん、ユニットにいるんだな、なにわ男子でいるんだなと思うフレーズ。


「Lucky Boy」
ではあると思う。なにわ男子の初オリジナル曲のタイトルは「なにわ Lucky Boy」。丈くんだって「僕ら なにわ Lucky Boy」と歌っている。実力や努力だけではなくて、運だって味方につけなきゃいけない世界に丈くんはいる。だけど今の丈くんがあるのは、「ラッキーだったから」というだけではないと思う。「諦めない心をきっとどこかで誰か見ているよ」という歌詞のように、これはきっと、丈くんの努力が実った結果だと私は思うよ。私は丈くんがそうやって15年間がんばってきた姿をほとんど知らないけれど、丈くんが「今までやってきたことは間違ってなかったんやな」と話すのであれば、丈くんの努力が実を結んだ今なのかなと。何よりも、「間違ってなかった」と丈くんが自分のこれまでを肯定していたことが嬉しい。そうやって1つ1つに丈くんが自信を持ってくれたら嬉しいなと思った。


「熟年夫婦」
なんて言い始めるほど、大橋くんとの関係性も変わった。大きな転機の1つはリューンだったと思うし、丈くんの中で何がどう変わったのか知らないけれど、丈くんが大人に穏やかになったように見えることもきっかけの1つのような気がする。きゃんきゃん言わずに、受け流せるように聞き流せるようになったみたいだった。怒らない練習をしていたところから、別に何をしゃべるわけでもない空気でもラクだと言うようになった。そして「ライバル」「シンメ」という言葉に加えて、「同じ景色見てきて、また同じ景色見ていく人」と表現するようにもなった。過去の事実だけでもなく、自分の意識で位置づけられるポジションだけでもなく、丈くんの描く未来にも大橋くんはいるらしい。
そしてそんな大橋くんとW主演を務めた舞台「リューン~風の魔法と滅びの剣~」は再演が決まった。おめでたい。リューンはやっぱりとっても大きかったなと。遠い昔のことのように思えて、千秋楽からはまだ1年も経っていない。22歳の丈くんは主演舞台でお祝いされるところから始まって、22歳のうちに再演が決まり、今度は「なにわ男子」の肩書きも持って主演を再び務める。「初座長で座長らしいことが何もできなかったので、次こそ大橋と一緒に座長らしく頑張りたいです」と話せる、その「次」を掴んだ。今年はスカイツリー、スカッとした気持ちで眺められるといいね。


「欲がすごい」
書き初めで「出世」と書いた大橋くんの文字を見て、丈くんはそう言ったらしい。こんなことしたい!あんなことやりたい!出世したい!という気持ちを込めて大橋くんが書いた文字。そんなことを言った丈くんも、いろんな欲を見せてくれるようになったと思う。それは「欲」というよりも「目標」という言葉のほうがしっくりくるのかもしれないけれど。「野球の仕事がしたい」「レギュラー番組がほしい」「舞台に出演したい」。言葉にしたものを着実に達成させてきた。そして今年も5つの目標を立てた。それだけではなくて、「写真集を出したい」「単独ライブで全国を回りたい」「ソロパートを増やしたい」とたくさんやりたいことを話してくれる。丈くんの中では「やりたい」ではなくて「いずれやる」と考えていることなのかもしれない。「積極性が足りない」と自分のことを話すけれど、臆せずやりたいことや目標を言葉にできる丈くんはすごいと思う。


「嬉しい気持ちで一杯です」
とユニット結成のときに話したように、丈くんは嬉しいと思ったこともたくさん話してくれた。目標が1つずつ達成できたことも、ユニットができたり、表紙に載ったり、夢だったポップアップができたり、テレビに出演したり、オリジナル曲やオリジナル衣装ができたり、「なにわ」とユニット名で呼ばれたり、いろんな経験のたびに、嬉しい!!って気持ちを見せてくれた。Webで週に1度の連載が始まって、こうしてコンスタントに丈くんの言葉が聞けるようになったことも嬉しい。「自分のパート、そして、オリジナル衣装。一曲でたくさんの嬉しさがある」と書いていた2曲目のオリジナル曲「ダイヤモンドスマイル」を披露した感想や、「いつも代々受け継がれている先輩の衣装を着るときに、誰の衣装かな?って首の後ろ見るやん!そこに『藤原』って書いてあるねんで!」と語ったオリジナル衣装ができた喜び、丈くんのその言葉選びも好き。これからもたくさん、丈くんの「嬉しい!」が続きますように。


「いずれはデビューできたらええな」
デビューに対して、「いつか」ではなくて「いずれ」という言葉を使っていた。「いずれ」という言葉のほうが「いつか」よりも近く感じる。現実味も増す。ぼんやりとではなく、いくらかはっきりした輪郭を持っている、ような気がする。丈くんがどこまで考えてその言葉を選んだのかなんて知れないけど。「デビュー」という言葉を口にするだけでも大きなことだと思ってしまうのに、その言葉との距離はどんどん縮まっているようにも見えた。「いずれ」だったものが「大阪からCDデビューしないと」になったり、関西ジュニアに対していろんなことをしてくれた横山くんたちに対して「この恩に応えるための1つのゴールとしてのCDデビューがあると思う」と話したり、「長期の目標は、もちろんデビュー!」と掲げたり。それからしばらく経った今の丈くんに「デビュー」はどう見えているのかな。


知名度を爆発的に拡散させられますよう」
「出世」と書いた大橋くんに対して、丈くんは書き初めで「拡散」と書いた。「2019年はメンバーひとりひとりが起爆剤となって、なにわ男子の知名度を爆発的に拡散させられますようにっていう意味で、この言葉にしたで」「みなさん2019年は“なにわ男子、カッコいい”って、たくさん呟いてくださいね」と。年下組が怖いもの知らずに大きなことを話すのも大好きだけど、丈くんや大橋くんがこうやって貪欲に大きいことも言うのも好き。「勝負の年」にきっとなるし、したいし、するんだろうなと、ひしひしと伝わってくる。


「ろうそくっていいよなあ」
甘い言葉しりとりの途中、考える末澤くんの横で大橋くんとボケていた3月のラジオ。恥ずかしいのかキャラじゃないと思っているのかなんなのか、丈くんは甘い言葉があんまり得意じゃなさそうで、最後のおやすみのセリフだって大抵どこかでボケを入れてしまって。そんな部分はこれから変わったりするのかな、どうなんだろうと考えることがある。例えば「かわいい」、をここ数ヶ月の丈くんは頑張っているらしい。雑誌撮影の裏話で呟かれていた。例えば「きらきら」した新曲を、丈くんは回を重ねるごとに吹っ切れてきらきらして歌うようになった気がする。例えば「最年長」「先輩」、をきちんと引き受けているようにも見える。
いろんなことに、手を伸ばしていたりするのかなあと勝手に想像した。「普段はふざけているけど、ここぞというときにキメるのはオレの役目」と話していたこともあったけれど、今は自分のこと、どんなふうに思っているんだろう。どんな丈くんが見れるんだろう。


「売れろ!」
千穐楽後、リューンで共演した岸さんが丈くんと大橋くんに送った言葉。私も同じ言葉を丈くんに、なにわ男子に、そしてやっぱり丈くんに贈りたい。つまるところはシンプルにただそれだけ。売れて売れて、「小学生に呼び捨てで呼ばれたい」という目標を達成させる日が早く来ますように。




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ふじわらじょういちろう、で綴る22歳の丈くんとこれからの丈くんに寄せてのお話でした。


丈くん、23歳の誕生日おめでとう。
丈くんにとってこの1年が幸せなものになりますように。