MONSTAR

おとぎ話を捨てて ぜんぶ 今ここで つくってしまおう

この夏の覇者に捧ぐ―贈る言葉はありがとう―

チーム覇のみんな、最高の夏をありがとう。


8月16日。約1か月に及ぶガムシャラ サマーステーションVS公演が終わりを迎えた。ずっと応援してきたやすいくんたちチーム覇は、残念ながら決勝進出権を得ることはできなかった。

私が最後に入った覇公演は8月15日の1部。この時チーム覇は、チーム者に勝った。まだまだ決勝に進める可能性はあった。そして15日の2部。チーム者に連勝し、敗退が決まったチーム者の分まで勝ちに行く、者の想いを背負って覇者になると、強く宣言していたというレポを読んで、胸をぎゅっと締め付けられながら、私はチーム覇が決勝に行くことを信じていた。最終戦の相手が強敵チーム武であっても、勝てると信じていた。

だけど、次の日twitterで流れてきたのは、1部が終わった時点でもう決勝進出は絶望的だということだった。それでも、私は2部が始まる8月16日の17時に「チーム覇!!明るくいきましょう!!」と呟いた。同じようなことを呟く覇担の方を何人も見かけた。もうだめだとわかっていたけど、でも、明るくいよう、笑っていようと思わせる何かが、チーム覇にはあった。実際この日の公演にも私は入ってないけど、レポを読む限り、彼らは最後まで諦めていなかった。最後までお客さんを楽しませること、明るく振る舞うことをやめていなかった。最後の最後まで、本当に魅せてくれる、本当に明るくキラキラした人たちだったと感じた。


そんなチーム覇に、惜しみない拍手と感謝の言葉を贈りたい。
そんな大好きなチーム覇への想いを、ここに記しておきたい。


初日のチーム覇の公演を見た後に、チーム覇に対する想いは1度書いている。maaaay55.hatenablog.com


この記事と被る部分もあるけど、もう1度、この夏の公演を終えた彼らへの気持ちを書いておきたい。




今だから言う。私は最初、チーム覇のことがあんまり好きじゃなかった。

みんなが良い子すぎたから。ふわふわと仲良しなだけのチームに見えていたから。気を遣いすぎて、意見を言わない。壁がある。優しすぎてもどかしかった。各人、心の中には高い意識があるから、完成するものはきっとすごいはずだと思えてはいたけど、その過程にちょっとイライラしている自分がいた。

アドバイスしない、人に関わらないってすごく楽。相手と向き合って、叱ったり指摘したりするのって、すごくエネルギーがいる。彼らが楽をしようとしていた訳ではないんだろうけど、そんな楽さを思うと、なんだこのチームって正直思ってた。一緒に頑張るんじゃないの?ぶつかり合わないの?って。

優しいから何も言えない。言わない。それがあのチームの最初の印象だった。優しいって、時にすごく無責任だ。相手の全てを受け止めているようで、それでおしまい。相手には何も返さない。誰も傷つかないけど何も生まれない。私は優しいって、そういう面も持つと思っている。だからもどかしかった。



そんな時の「君たちチームだろ?」って言葉。あの時の虚を突かれたようなやすいくんの表情はずっと忘れられない。


ちょっと話は逸れるけど、やすいくんには、「怒られる」って経験が少なそうだなって印象を勝手に抱いている。自分と似てるかもって勝手に思っているところ。それなりをこなしていて、目立たないけど怒られないまま過ごしてきた人ってイメージ。ずっと80点くらいを取ってる印象。平均点以上は取れるけど、満点は取れない。今までうまくいかなかったことあんまりなくて、あったとしても、自分ではどうにもできない理不尽で大きすぎる外部要因が原因だった人生。

私がやすいくんを知った時には、彼はもうジュニアの中での良いお兄ちゃんで、卒なくなんでもこなせる優しい人だった。そんなやすいくんが、根本的に自分のあり方を大人からダメ出しされたのって久しぶりだったんじゃないかな。昔のやすいくんのことは知らないから、この辺は完全なる妄想だけど。
自分で気付いて修正する失敗と、人に指摘されて気付く失敗は全然違う。私は人から怒られると、その失敗よりも、まず怒られたこと自体に身が竦んでしまう。悔しくて怖くなる。今まで大体のことが受け入れられてきた自分が否定された気がするし、プライドが折れる。「怒られる」って結構な体験になる。だからこその、あの時のやすいくんの虚ろな目だったのではないかと今でも思う。

それでもやすいくんは、先生からの叱責を受けて、気付きを得た。折れることも、弱ることもなかった。あの一瞬、目から光が消えただけだった。そして、すぐに一歩を踏み出した。


チーム覇のみんなは、カフェに行って、みんなで話し合った。
名ばかりのチームじゃなくて、チーム覇が本当に結成されたのはこの瞬間だと思う。


このころのガムシャラを見返しながらこれを書いているけど、全然空気が違う。何よりもみんなが楽しそうだった。「みんなで」明るく楽しく頑張ろうって気持ちが伝わってきた。
そして、ただチームを組んだ者同士でなんとなく仲良くしているのではなくて、1つの軸を持って繋がりを持っているように見えた。敬語をなくしたのも、ただの馴れ合いに見えなかった。全員の距離が近くなって、声を掛けあえるようになった。多分それも、頑張ってそうしてたわけじゃなくて、そうすることが良いってわかって、余計な壁がチームの中から消えて、自然にできたことのように見えた。

みんなで繋がれた、近付けたから、一歩踏み込むことも、今まで以上に仲良くなることもできた。可愛くてぎゅっとしたチーム覇が生まれたのだと思う。


本当はそれでもまだ、私はチーム覇を好きになりきれずにいた。それはほかのチームに比べて、圧倒的に熱さが見えてこなかったから。チーム我や羅が見せた、熱血体育会系男子の持つ火傷しそうなほどの勝利への熱も、チーム武や者が見せた、去年の悔しさを胸にメラメラと勝利へ炎を燃やす様子も見えなかった。それがどうしてもじれったくて、もっと熱くなりなよって思ってしまう瞬間がどうしても私の中にあった。

だけどチーム覇のみんなを見ているうちに、気付けばチーム覇を好きになっている自分がいた。こんなにも可愛くて、愛しくて、応援したくなるチームは他になかった。それはやすいくんがいるって贔屓目なしでも本当にそうだと心から言える。それくらい、全力で明るくいこうと、楽しませようとしている5人の姿に惹き込まれていた。


チーム覇が他のチームとは違って見えた理由。全部終わった今なら分かる気がする。

それは、彼らが1番に見据えていたのものが、きっと優勝じゃなかったから。
彼らが1番に考えていたのものが、お客さんに楽しんでもらうことだったから。
「楽しい」って感情が、チーム覇の大きな軸だったんだと思う。


振り返ってみれば、勝利を望む言葉が1番少なかったのは、チーム覇だったのではないだろうか。チーム覇は、他のチームと根本的に見ている場所が違ったように思える。
やすいくんは本番前のリハーサルで、「お客さんの反応が怖い。喜んでくれるといいんだけど…」と言った。円陣を組んで、「楽しんで!みんなを笑顔にしましょう」と言った。ラストトリックの前には、「みんな楽しい?」と聞いた。宮近くんは、このチームの合言葉のように「明るくいきましょう!」といつも言っていた。

まずは楽しんでもらう、自分たちも楽しむ。それを大切にしながら仲間と共に歩み、パフォーマンスをつくっていたのがチーム覇だった。
(これを書きながら、ファンカッションをやってたチーム者はどうなんだって言われそうだと気づいたけど、今日は覇のことだけ書かせてほしい。覇担がチーム覇について語ってるだけの記事なので許してほしい。)


もちろん、勝利を求めることが悪いとは1mmも思っていない。チームを組んで戦うのだ。優勝を目指すのは当たり前だし、それに向かって熱くなるのは1つのあるべき姿だと思う。だからこそ、これだけ熱い夏が、熱い戦いが25人の中に生まれた。そしてそうした熱さに浮かされて、他のチームがお客さんのことを見ていなかったとも思っていない。
ただ、私が感じていた他の4チームとチーム覇の違いは、楽しさにあったと思うと言いたいだけ。


「楽しい」って感情は大きい。
失敗しないことも、勝つことも、大切なことだし素晴らしいことだと思う。でも人間、やっぱり単純に楽しいことが好きだ。笑っちゃうようなことが好きだ。一番突き動かされて、飲み込まれるのは「楽しい」って感情だと思う。
それを第一に考えて、パフォーマンスをしたり、煽ったりしていたチーム覇のみんなは最高だった。

15日の公演で、「みんな楽しい?チーム覇のこと好き?」って問いかけられたことがずっと心に残っている。楽しいに決まってるよ、だってこんなにもチーム覇のみんなが「楽しい」を大事にして、魅せてくれるんだもん。そんなチーム覇のこと、好きに決まってるよ。大好きだよ。いつしかチーム覇のことを大好きになっていたのは、5人の明るく楽しませようとする姿勢に飲み込まれていたからだと思う。

その日の結果発表が終わった時に、やすいくんは「今日たのしかった!」と言った。この言葉は、公演を通じて1番嬉しい言葉だった。私たちだけじゃなくて、やすいくん自身も楽しいって思ってくれたんだ。一緒の気持ちで、一緒に楽しいを共有できたんだと思うと、嬉しくてたまらなかった。



この夏、チーム覇のみんなは楽しさという武器で、間違いなく覇者になっていた。
彼らが宣言していた通りの、この夏の覇者だった。

そんな彼らだからこそ、常に前を向いて、私たちに明るさと楽しさをくれたのだろう。
そんな彼らだからこそ、あんなにもキラキラと輝いて見えたのだろう。


チーム覇のみんな。
やすいくん、宮近くん、顕嵐ちゃん、涼ちゃん、瑞稀くん。
楽しい楽しい夏をありがとう。


誰もが口を揃えて言うように、チーム覇が5人で歌っていた嵐のOne Loveはチーム覇にぴったりの曲だ。私たちに向けてステージで歌ってくれた1番。その曲の2番はチーム覇の5人に贈りたい。

「かけがえのない 出逢いは奇跡を繋いでく
 思い出重なりあう はじまりの歌 鳴り響いて
 どんなときも 支えてくれた 笑い泣いた仲間へ
 心込めて ただひとつだけ 贈る言葉はありがとう」



チーム覇のことを思い出しながら記事を書いたら、切なくて泣きそうになるのかと思っていたけど、全然違った。清々しくて、楽しかった。書きながら、ふっと微笑みそうになる瞬間がいくつもあった。

最後の最後まで楽しいをくれるなんて、本当に君たちはすごいよ。
素敵な気持ちをありがとう。素敵な楽しい夏をありがとう。